イチゴ

名前の由来

 英語でいう「straeberry」は、苗の周りにワラ「straw」をしくという小果類「berry」の栽培方法に由来するといわれています。
 日本では、江戸時代以前の野生の木イチゴが「魚(いお)の血のある子のごとし」といわれるほどイクラやスジコに似て見えることから、魚の「イ」、血の「チ」、子のごとしの「ゴ」をとってイチゴと呼ぶようになったといわれています。また、1月〜5月まで収穫されることからイチゴといわれるようになったそうです。


歴史

 スイスでは、新石器時代の住居遺跡から、野イチゴの種子が発見されています。
 苺栽培の起源は、18世紀中頃。オランダで、北アメリカ原産「F・バージニアナ」と南アメリカ原産「F・チロエンシス」を交配させ、「パイン」、「アナナス」といった品種が生み出されました。これらはイギリスやフランスでも盛んに栽培されるようになりました。
 またアメリカでは、18世紀末に「パイン」が持ち込まれ、さらなる品種改良を重ねた結果、「ハワード17」という品種を生み出しました。現在栽培されている品種のほとんどは、この「ハワード17」にルーツを持つといわれています。
 日本でも、すでに平安時代には苺が食べられており、枕草子にもそのように記されています。ただしこれは、野生種の野イチゴだったようです。
 栽培品種は、江戸時代末期1830〜1840年にオランダ人によって伝えられました。
 これは当初、食用ではなく観賞用として親しまれていたようです。実際に栽培されるようになったのは、明治5年、北海道開拓使にアメリカから導入されて以降です。本格的な栽培となると、明治末期から大正時代にかけて始まったとされています。その後、苺栽培は全国に広まり、新しい品種も次々と生み出されていきました。